みなさんこんにちは!ジャパンビアソムリエのあべsanです😊
今回は、タイトルの通りビール酵母について学ぼうぜ!という趣旨の記事になります。
専門的過ぎると読んでいて面白くないでしょうし私も書くのが大変そうなので(😂)、なるべくわかりやすく、クラフトビール沼に片足以上突っ込んでいる方々に向けた記事にしたいなと思っています。
また、クラフトビールに興味はあるけど何を飲んだらいいかわからない…という方の、ビールを選ぶ際の指標にもなったら嬉しいです。
ではよろしくお願いします!
💭ビール酵母とは?

具体的なお話をする前に、まずビール酵母について簡単に見ていきましょう。
大前提として、ビール酵母は大きく2種類に分けることができます👇️
・エール酵母(上面発酵酵母)
・ラガー酵母(下面発酵酵母)
それぞれ何が違うかというと、上面発酵酵母(エール酵母)は発酵の際に浮かび上がるのに対して、下面発酵酵母(ラガー酵母)は底に沈みます。正に字の通りですね💡
一般的な特徴は以下の通りです。
・ラガー酵母で造られるビール
👉スッキリとしていてキレが良い
・エール酵母で造られるビール
👉ふくよかで豊かな香り

そしてこの項で一番重要なことは、ビールは同じ麦芽、同じホップを使用しても酵母によって全く違う香味になるということ!
酵母は単なる発酵担当者ではなく、香り(エステル香※)や味わいにも影響しているのです。面白そうでしょ😊

※エステル香
エステル香とは酵母が発酵する際に発する香気成分のことで、酵母の種類によって香りをあまり出さないものもあればガンガン出してくる酵母もあります😎

では早速本題へ✨ラガー酵母とエール酵母に加えて、それらから更に細分化される酵母達を見ていきましょう!
イメージしやすいよう人間に例える試みもしてみます。逆にわかりにくくなっていたらゴメンナサイ🙏💦
またそれぞれの酵母で造られる主なスタイル※も併せてご紹介しますので、気になるスタイルがあれば是非試してみてくださいね♬

※スタイル(ビアスタイル)
スタイル(ビアスタイルとも)とはビールの種類のようなもの!人気のIPAやヘイジーなどもビアスタイルのひとつです。例えばお砂糖と一口に言っても上白糖や三温糖、キビ糖など様々な種類がありますよね。ビールにおけるスタイルもそんな感じで考えるとわかりやすいと思います🌈
🍺ラガー酵母(ドイツ)
\コツコツ働く縁の下の力持ち💪/

自己主張はせず、麦芽やホップの引き立て役
ラガー酵母で造られるビールはスッキリとしていてキレがあり、爽快感を得意とします。酵母自身はあまりエステル香を発しないので、麦芽の旨みやホップの香りを感じられるビールに仕上がります。
ラガー酵母はエール酵母に比べて発酵に時間がかかり、数週間から数ヶ月程。対してエール酵母は、2週間程度で発酵が完了するものがほとんどです。
なので小規模のクラフトブルワリーなどは回転の速いエール酵母を好んで使うところが多い印象です💡
✒️ラガー酵母で造られる主なスタイル
・ピルスナー
・ヘレス
・メルツェン
・シュバルツ
・ボック
🍺ピルスナー

日本のビールは大体これ!ピルスナーはドイツではなくチェコ生まれです💡
🍺ヘレス(ミュンヘナーヘレス)

ピルスナーと見た目が似ていますが、苦味が非常に穏やかで麦芽の優しい甘みやはちみつのような香りが特徴🍯私が大好きなスタイルのうちのひとつです。
🍺メルツェン

芳醇な麦芽の香りにスッキリとした後味!写真👆️のシュマッツのラガービールが恐らくメルツェンなのですが間違っていたらゴメンナサイ🙏💦
🍺シュバルツ(黒ビール)

麦芽の芳ばしい香りにスッキリ爽快な飲み口。黒ビールに苦手意識のある方にぜひ飲んでみて欲しいスタイルです✌️
🍺ボック

淡色のヘルと濃色のドゥンケル(デュンケル)の2種があります。麦芽感が強く、アルコール度数が高めでリッチな味わい。また写真👆️の「5月のボック」を意味するマイボックも有名で、こちらはきれいな赤褐色です。

✒️ラガー酵母の誕生
ドイツでは現代のような冷蔵技術がない時代は、洞窟や氷室などでビールを熟成・貯蔵していました。当時ドイツでは(15世紀頃)ビールを醸造するための酵母はエール酵母というものを使用していたのですが、このエール酵母が、貯蔵のための洞窟にふよふよ漂っていた野生の酵母と交雑して誕生したのが「ラガー酵母」、つまりラガービールを造るための酵母なのです👏
このふよふよ漂っていた野生酵母は、長い間正体不明の謎の酵母でした。しかし2011年に南米のパタゴニアで発見されたことによりビール界が大盛り上がり🎉「ドイツで生まれたラガー酵母の親が南米生まれ?!」ってね。
これにはいろいろな説があるようですが(大航海時代に木材や果実などにくっついていて一緒に移動したとか。夢がありますよね!)、まだ完全には解明されていないようですよ。
このあたりのお話はビールの自然誌という本で知りましたがとても興味深かったです。分厚い本だし生物学的なことも書かれているので「???」なことも多いですが、豆知識みたいなこと(舌のぷつぷつの数には大きな個人差があって、その数が多い方が味覚に敏感とか🤔)もたくさん書かれていて楽しい本です。ご興味あればぜひ♬
🍺カリフォルニア酵母(アメリカ)
\クラフトビール界のシゴデキマン🤓/

ホップ大好きなキーパーソン
カリフォルニアエール酵母はエール酵母に分類されます。
発酵に安定感があり、発酵由来の香り(エステル香)が控えめです。また汎用性が高く、様々なエールビールに使用できます。良い意味で無個性なのでホップを全面に出したビールに最適✌️
✒️カリフォルニアエール酵母で造られる主なスタイル
・アメリカンIPA
・アメリカンペールエール
🍺アメリカンIPA

アメリカンホップの爆発的な香りと優しい麦芽の旨み、そして強烈な苦味!アルコール度数も高めです。
🍺アメリカンペールエール

スーパーやコンビニなどでも手に入るよなよなエールはアメリカンペールエールです♫
🍺 🍺 🍺

✒️チコ酵母
カリフォルニアエール酵母の起源はチコという名の酵母です。アメリカのカリフォルニア州チコという都市で、シエラネバダ醸造所がこの酵母を使い始めたのが始まりです。このチコ酵母を使ったシエラネバダが造るペールエールは原点にして頂点!全米No.1と言われています👏めちゃくちゃ美味しいですよ。

シエラネバダについてはアンテナアメリカさんのサイトで詳しく書かれています!ご興味あればぜひ。
🍺イングリッシュエール酵母(イギリス)
\チャーミングな英国紳士👔/

なんだかいい香り♡麦芽の甘みも引き立てる
イングリッシュエール酵母はエール酵母に分類されます。
洋なしやりんご、紅茶を思わせる穏やかなエステル香が特徴ですが、麦芽との相性もピカイチ!
この酵母の起源は中世の英国だと言われています💡
当時は酵母の培養技術がなかったため、発酵が終わったビールから酵母を採取→次の醸造で再利用、というサイクルが何百年も続きました。
その結果、英国らしいモルティなビールに合うような酵母にブラッシュアップされていったのだと考えられます。(ビール酵母は人間に使われることによって、より「人間好みの酵母」に進化していくのです😳)
✒️イングリッシュエール酵母で造られる主なスタイル
・イングリッシュペールエール
・ポーター
・ビター
🍺イングリッシュペールエール
元祖ペールエール!アメリカンペールエールが柑橘の香りがするのに対して、こちらはお花や紅茶のような香りです。
🍺ポーター

シュバルツなどに比べるとまろやかでコクのある黒ビールです。苦味も控えめなのでとても飲みやすい👏
🍺ビター
イギリス生まれの低アルコールビール!こちらの記事でご紹介しています💡
🍺ベルジャン酵母(ベルギー)
\ユニークな芸術家🎨/

「私の作品(香り)を感じてね~~!」
ベルジャン酵母はエール酵母に分類されます。
ベルギーの修道院や農家、町の醸造所など地域ごとに受け継がれてきた酵母群なので、同じ「ベルジャン酵母」と言ってもそれぞれキャラクターが異なるのが最大の魅力👏
傾向としては、果実(バナナ、洋梨、アプリコット、青りんごetc)やスパイス(クローブ、ナツメグ、コショウetc)などなど、香りの引き出しが多いのが特徴です。
✒️ベルジャン酵母で造られる主なスタイル
・トリプル
・ダブル
・ゴールデンストロングエール
🍺トリプル(トリペル)
黄金カラーのハイアルコールビール。ふくよかででフルーティな香りと麦芽の旨味があり奥行きのある味わい。トラピストビール※が起源です。


✒️トラピストビール
トラピスト会修道院で醸造されるビールで、国際トラピスト会修道院協会により厳格な基準が定められており、それをクリアしたものだけが「トラピストビール」と名乗ることを許されています。現在世界でわずか8か所!内ベルギーが5か所です。修道院内では、初期比重(発酵前のビールの密度)の濃度(つまり麦芽の多さ!)で
・シングル(1倍)
・ダブル(2倍)
・トリプル(3倍)
・クァドルペル(4倍)
の4種にビールを分類していました。実際に麦芽を2倍3倍使っていたわけではありませんが、シングルはアルコール度数5%未満、クァドルペルになると10%以上というハイアルコールです😯

スクールモン修道院が造るCHIMAY(シメイ)は日本でも手に入りやすいです♬成城石井などでも売ってますよ!シメイには色々種類がありますが、こちらのシメイホワイトはトリプルです😊
🍺ダブル
ダークカラーでレーズンなどを思わせる香りと麦芽の甘み♬
🍺ゴールデンストロング(エール)

黄金カラーのハイアルコール!見た目はトリプルと似ていますが、こちらの方が軽やかでドライ。元祖はDuvel(デュベル)
🍺 🍺 🍺

ベルギービールって本当に面白いんです!過去に記事にしていますのでご興味あればぜひ。
🍺セゾン酵母(ベルギー)
\自由奔放な芸術家🎨/

「今日は気分が乗らないのでお休みします」
セゾン酵母はベルジャン酵母の仲間で、主にセゾンというスタイルのビールを造る際に使用されます。フルーティでスパイシーな香りがするのでベルジャン酵母にも似ていますが、セゾン酵母は白コショウやハーブ、柑橘類のような香りが全面に出るためベルジャン酵母に比べて爽やかです👏
また高温を好み、他のエール酵母に比べてビール内の糖をたくさん食べるので、甘みの少ないドライなビールへと仕上がります。
が!セゾン酵母は発酵の途中で急に発酵をやめたかと思えば、数日後また発酵を再開しだす…など、「醸造者泣かせ」の酵母としても有名です😂

セゾンは夏の農業の休憩タイムに飲まれていたと言われています。東京にある和泉ブルワリーさんのセゾンがほんっとうに美味しかったのでオススメです🌟
[https://www.instagram.com/izumi_brewery/?hl=ja]
✒️アメリカン・ベルゴスタイル・エール
近年では「アメリカン・ベルゴスタイル・エール」というスタイルも登場しています。こちらはベルジャン酵母(特にセゾン酵母が多いようです💡)とアメリカンホップを使ったエールビールで、例えばセゾン酵母で発酵させたアメリカンIPAとか、アメリカンホップを使ったトリプルとかそんな感じです。

アメリカンベルゴスタイルは2026年5月現在、奈良醸造さんで購入出来ます♬気になった方はチェックです👇️
🍺ヴァイツェン酵母(ドイツ)
\バナナ好きの陽気なおじさん🍌/

「バナナ持ってきたよー♬」
ヴァイツェン酵母はエール酵母に分類され、バナナとクローブのような香りがするのが特徴です。高温寄りで発酵させるとバナナ感が上がり、低温寄りで発酵させるとクローブの香りが全面に出ると言われています💡
またこの酵母を使用したビールはやわらかい口当たりになることが多く、「ふわふわ」「まろやか」「飲みやすい」方向に仕上がります。
✒️ヴァイツェン酵母で造られる主なスタイル
・ヘーフェヴァイツェン
・クリスタルヴァイツェン
・ドゥンケルヴァイツェン
・ヴァイツェンボック
🍺ヘーフェヴァイツェン

一番オーソドックスなヴァイツェン!スタイルにヴァイツェンとあれば大抵がへーフェです。ヴァイツェンとはドイツ語で「小麦」、へーフェは「濁った」の意でこの濁りは主に酵母由来です💡小麦麦芽を50%以上使用しているのがポイント!
🍺クリスタルヴァイツェン
へーフェヴァイツェンから濁りを除去したもの。澄んだ外観が特徴です。
🍺ドゥンケルヴァイツェン
ドゥンケルとは「濃い」の意💡その名の通り濃色のヴァイツェンで、濃色の麦芽を使用しています。通常のヴァイツェンに濃色麦芽特有のカラメルやトーストのような芳ばしさがプラスされているイメージです😊
🍺ヴァイツェンボック
ヴァイツェン酵母を使用したボック。アルコール度数は高めで明るい色から濃色まで。酵母由来の香りに加えて、蜂蜜やレーズンのようなニュアンスも🍯とろっと濃厚な飲み口です。
🍺ケルシュ酵母(ドイツ)
\平和主義なドイツ紳士🍀/

輪になって踊ろう!協調性ピカイチ
ケルシュ酵母はケルシュというスタイルのビールを造る際に使用されます。エール酵母に分類されますが、発酵温度は他のエール酵母に比べて比較的低めの15℃程度。
さらにケルシュは発酵後に低温熟成をさせるため、ラガービールのようなキレのあるクリーンな味わいのビールになります。
エステル香は青りんごのようなフルーティでフレッシュな香りが特徴ですが、麦芽やホップを抑え込まない程度。みんなで並んで歩いているイメージです😊

ケルシュは上品な香りと味わいのビール。見た目はまるでピルスナー!スッキリとしていて飲みやすいので、クラフトビール入門としてはオススメのスタイルです🌟
🌈まとめ
それぞれの酵母をまとめるとこんな感じです👇️
・ラガー酵母(麦芽とホップを活かす)
・エール酵母
├─ アメリカンエール酵母(ホップを活かす)
├─ イングリッシュエール酵母(麦芽を活かす)
├─ ベルジャン酵母(🍐🍌🫚)
├─ セゾン酵母(🍊🌿🫚)
├─ヴァイツェン酵母(🍌)
└─ ケルシュ酵母(🍏/麦芽・ホップとも仲良し)
特にエール酵母は一口にエール酵母と言っても様々な種類や香りがあるので、該当するスタイルを飲む際にはその香りを探してみるのも楽しいと思います😊
🙏おわりに

いかがでしたでしょうか?酵母ってなかなか面白いですよね!私自身も今回の記事を書くにあたり、色々調べて知見が広がりました💪
最後に各スタイルで例として挙げたビール達をご紹介して終わろうと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。みなさんのビールライフがより良いものになりますように✨️
ではまた!
🍺ピルスナーウルケル

ピルスナービールの元祖!
爽やかな喉越しと麦芽の旨みに心地よい苦味♬
色合いは日本のピルスナーに比べると少し濃いめ。綺麗!
👇️世界のピルスナー6本セット!飲み比べが楽しい♬
🍺シュマッツ ヘレス/ラガー

シュマッツは160年という歴史あるドイツの醸造所!
まさに本場の味です😊
👇️グラス付きが嬉しい!直輸入なので品質も安心
🍺ケストリッツァー シュバルツ

文豪ゲーテが愛飲したと言われている、旧東ドイツの歴史ある醸造所のシュバルツ♬
🍺ヤッホーブルーイング
よなよなエール/インドの青鬼

コンビニやスーパーでも購入できるヤッホーのビールは安定の美味しさ!価格も他のクラフトビールに比べてもお手頃なのが嬉しい😊
👇️ヤッホーのビール5種飲み比べ
🌟一度は飲んでほしい!シエラネバダのペールエール
🍺平和クラフト ポーター

清酒「紀土」を製造する和歌山県の酒蔵が造るクラフトビール。清酒製造のノウハウを融合してユニークなビールを造っています。こちらのポーターはチャイマサラ入り!これがとっても美味しいんです🤗
👇️飲み比べもオススメ
🍺シメイホワイト

ベルギーのトラピストビールはとってもリッチでユニーク!ドライフルーツなどをお供にちびちびやるのが最高です🌃
👇️シメイ飲み比べ&デュベル!高アルコールセット
🍺ヴァイエンシュテファン ヴァイツェン

世界最古の醸造所が造る元祖ヴァイツェン!「元祖系」はぜひ一度は飲んでみて欲しいです♬
👇️専用グラス&化粧箱入り
🍺OKINAWA SANGO BEER ケルシュ

沖縄の南都酒造所が造るクラフトビール!沖縄の鍾乳洞の地下水を100%使用しています。白ワインのような香りと爽やかな味わいで美味しいケルシュです。
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