みなさんこんにちは!ジャパンビアソムリエのあべsanです。
最近のクラフトビール市場では、低アルコールであるセッションビールがトレンドになっています。
これは「味は楽しみたいけどなるべく酔いたくない!」という、健康や日々の生活を考慮する方が増えたからではないかと考えていますが、この低アルコール文化は実は200年以上前から存在しているのをご存じでしょうか😊
ということで今回は、そんなセッションビールの特徴から、なぜ誕生したのか、その歴史や現代までの流れ、また様々なセッションビールについて書いていこうと思います🌈
それではスタートです!
💭セッションビールとは?

セッションビールとは、一言でいうと
「長時間みんなでワイワイ楽しめるように造られたビール」
です🌸
一般的にアルコール度数は3〜5%と低く、軽い飲み口で飲み疲れせず、何杯でも飲める(飲めそうな)ビールを指します。
代表的なものはセッションIPAで、IPA特有の華やかな香りはそのままに、苦味と度数が抑えられ「飲みやすいIPA」として人気です🍻

最近だと英国№1のクラフトブルワリーであるBREW DOG(ブリュードッグ)が日本向けに造った「GOOD BUDDY」が話題になりましたね!

🌎️起源はイギリス

セッションビールの起源は第一次世界大戦時代のイギリスだと言われています。
当時の工場労働者たちは休憩時間中に飲酒することが許されていました。そのような飲酒可能な時間帯は「ドリンキング・セッション」と呼ばれ、これが現代のセッションビールの語源なのだそうですよ✒️
しかしこの時代のイギリスのビールは現代のセッションビールのような低アルコールというわけではなかったため、労働の休憩時間に飲んでしまうと酔っ払ってしまってその後仕事にならないという問題が多発🤣
そこでイギリス政府は戦時中ビールのアルコール度数を制限し、ビールの原料である麦芽に対しても課税を始めます。
このような結果、ハイアルコールビールは淘汰され、代わりに誕生したのが度数3%程度の低アルコールビールだったのです🎉

基本的にアルコール度数の高いビールほど麦芽をたくさん使うので、度数の高いビール=税金も高いということになります😣
🍻イギリスのパブ文化との関係①

セッションビールはイギリスのパブ文化とも深く関係しています。
イギリスのパブは単なる”飲み屋さん”ではなく、地域コミュニティの中心です。仕事終わりに立ち寄って、または週末などに同僚や仲間たちと会話を楽しみながらゆっくりと過ごす場所なのです✨️
🌟パブの前身はエールハウスなどと呼ばれ、第一次大戦より前の17世紀頃にはすでに「みんなの社交の場」として存在していました。

パブ(pub)とはパブリックハウスの略!意味はそのままで「誰でも来ていい場所」✌️そのような場所がパブと呼ばれるようになったのは19世紀頃です。
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イギリスのパブにはラウンドというシステムがあり、これは一緒に飲みに行った仲間同士で奢り合うことです。例えば4人でパブへ行ったとしたら、まずはAさんがみんなの分のビールを買い、飲み終わったら次はBさん、Cさん、Dさん…と順番に奢り合うのです。
イギリスのパブは最後にまとめてお会計、ではなく、1杯ごとにその都度カウンターへ行き、注文・お支払いをします。なので1人が全員の分をまとめて購入(しかもみんな同じビール!)すればとっても合理的なのです✨
そして先にも書いたように、イギリスのパブという場所は会話と滞在を楽しむ場所です。再注文の度に個別にカウンターへ行っていたら会話が途切れてしまいますよね。
そういった背景から生まれたのがラウンドというシステムなのだそうですよ💡

つまり4人で行ったら少なくとも4杯は飲むということ!
イギリスのビールのサイズは1杯568ml(UKパイントといいます。)なので、なんと2リットル超えです。これは杯が重なりますね😂
✒️現代におけるラウンド制度
最近ではおのおの個別会計をしたりなど柔軟になってきているようですが、それでもこのラウンド制度は文化としてまだまだ根強く残っています。
ちなみにラウンド制度で自分の番を飛ばしたり、自分だけ高いビールを選ぶのはNG。また飲むペースはみんなに合わせます。
イギリスの方々は協調性をとても大切にしているのです💡
🍻イギリスのパブ文化との関係②

戦前(1914年頃)にパブで主に飲まれていたビールはビターやマイルドというスタイルで(ビールの種類のようなもの。後述します。)、それぞれアルコール度数は6%程度、なかには8%以上のものもありました。
しかし第一次世界大戦によってイギリスのビール事情がガラリと変わったことにより、このビターやマイルドは3%前後の低アルコール化。
しかしその度数の低さが、パブの「会話や滞在を長く楽しむ場」にピッタリマッチ👏
結果として、低アルコールで長時間飲めるビールがイギリスで広く飲まれるようになり、その文化は戦後100年以上経った現代でも続いています。

当時それらはセッションビールと呼ばれていたわけではなく、あくまでもビター/マイルド。セッションというスタイルが確立しはじめたのは実は近代なのです。次項で解説します♬
🤔セッションというスタイルはいつ確立された?

先ほどから「スタイル」という単語が何度か登場していますが、ビールにおいてスタイル(ビアスタイルとも)とは前述の通りビールの種類のようなものです。
そしてセッションも数あるスタイル(現在その数150種類以上!)のうちのひとつですが、実は近年誕生したばかりのスタイルでもあります💡
✒️ビアスタイルについて
ビールは基本的に麦芽・ホップ・水・酵母で造られますが、その造り方によって様々な色・味わいのビールが生まれます。甘かったり、苦かったり、酸っぱかったり…黄金色だったり、赤かったり、黒かったり。本当に様々です。
例えばお砂糖なんかも一口にお砂糖と言っても、上白糖や三温糖など色々な種類がありますよね!ビアスタイルもそんな感じで考えるとわかりやすいかもしれません😊
ちなみに日本でよく飲まれているスーパードライや黒ラベルは「ピルスナー」というスタイルで、日本のビールの8割以上はピルスナーが占めています。
🍺 🍺 🍺
セッションビールがスタイルとして確立したのにはアメリカのクラフトビールシーンが大きく関わっています。2000年代以降、アメリカではクラフトビールが爆発的に人気となりそれは世界中へと広がっていきました。(詳しくはこちらの記事を♬)
なかでも特に人気だったのが、今ではみなさんご存じであろうアメリカンIPA(IPA)です。
弾けるようなホップの香りと強烈な苦味に高めのアルコール…当時はピルスナーなどのすっきりしたビールが主流でしたで、初めてIPAを飲んだ人々は驚愕し、なかなかその味わいを受け入れられなかったそうですよ。
しかしIPAを飲んだことがある方ならわかるはず…この香り、味、苦味はとってもクセになるのです😂✨

アメリカンIPAといえば!ストーンIPA✨
元祖アメリカンIPA的立ち位置です。

ストーンは2022年にサッポロHDが買収したのですが、つい先日、売却するとの発表がされました。買いにくくなったら悲しいなぁ…
🍺 🍺 🍺
そんな感じで徐々にIPAへの人気に火がついていき、たくさんのクラフトブルワリー(醸造所)がIPAを造り出していきます。
アメリカンIPAの良さは特に大量のホップから生まれる爆発的な香りと苦み、そして高アルコールというところですので、ブルワー(醸造者)はもっと美味しいIPAを!と、ホップの量を増やしたりアルコール度数を高めたりと改良していきますが、ある時から市場にこんな声が出始めました。
「IPA美味しいけどさ、ちょっとアルコール度数高いし、飲んでて疲れちゃうんだよね。もっと気楽にIPAが飲みたいよ。」
勘の良い方ならお気づきでしょう!そう、ここで登場するのがセッションIPAなのです✨

初めて「セッションIPA」と銘打ったビールを発売したのは、アメリカのフルセイル・ブルーイング・カンパニーです。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね♬
✒️セッションの意味
先に、イギリスの労働者たちの飲酒可能時間帯はドリンキング・セッションと呼ばれていたと書きましたが、この場合のセッションは「区切り・期間・休憩」的な意味合いです。
そして現代のセッションビールのセッションとは、「長時間みんなで楽しめる」という意味で名付けられています。
つまりパブ文化とドリンキング・セッションという習慣のなかで、結果的に長時間飲める低アルコールのビールが好まれるようになり、それが現代になって再認識され「低アルでみんなで長時間わいわいビール」=「セッションビール」と呼ばれるようになったのです🍻
💡大事なPOINT
さらに最近ではより噛み砕いて解釈されていて、通常よりもアルコール度数を下げたもの=セッションビールと認識されつつあります。
🌟いろんな低アルコールビール
ここからはようやく!セッションビールに分類されるスタイルをご紹介していきます🌈
前述の通り、最近では本来のスタイルより度数を下げたもの=セッションという流れがありますので、セッションIPA以外のセッション〇〇みたいなものは省略させていただきます。
併せて、本来の意味でのセッションには分類できないかもしれないけど低アルのスタイルもご紹介します♬
伝統的なセッションビール
🍺ビター
(イギリス)
・ブリティッシュビターとも
・イギリスパブで最もポピュラー
・ビターにもいくつか種類がある☟
オーディナリービター:度数3.5%程
ベストビター:4.5%程
(エクストラスペシャルビターというものもあり、こちらは5.5%程)
・どちらも炭酸は弱めで麦芽由来の甘みを感じる
🍺マイルド(エール)
(イギリス)
・ペールマイルド(エール):淡い色
・ダークマイルド(エール):濃い色
・伝統的なのはダーク ナッツやチョコレートのような風味
・ビターに比べてホップの使用量が少なく苦味も控えめ
・その名の通りマイルドな味わいのエール
・度数は4%程
エールって?という方はこちらをぜひ♬
現代的なセッションビール
🍺セッションIPA
(アメリカ)
・度数は3〜5%程
・IPAらしい香り
・控えめな苦味
・スッキリとしていてゴクゴク飲める
・長時間仲間とわいわい

セッションビールのような何杯でも飲める(飲めそうな)ビールを「ドリンカブル」「ドリンカビリティが高い」と表現したりします♬
そのほか低アルスタイル
🍺テーブルビール
(ベルギー、フランス北部)
・水の代わりに飲むための超低アルコールビール
・度数は1~3%程
・苦味はかなり控えめでやや麦芽の旨みや甘みを感じられる
・食事や読書などのお供
🌸現代で再認識されつつあるスタイル!
(私も今この記事を書きながらスーパードライをいただいていますが、ちょっとフワフワしてきました。テーブルビールがもっと身近になったら嬉しい)
🍺スモールビール
(イギリス、ヨーロッパ各地)
・主に中世から近世で飲まれていた超超低アルコールビール
・度数は0.5%~2%程
・当時は衛生環境が悪く生水が危険だったため、発酵させたビールの方が断然安全
・優しい味わい
・言い換えれば薄い味わい
・でもちょっと栄養ある
・子供も飲んでいた
🌸現代で再認識されつつあるスタイル!

スモールビールは濃いビールを造るのに使った麦芽を再利用して醸造されていました💡
🍺マイクロIPA
(アメリカ)
・近年誕生したスタイル
・度数は2~3.5%程
・しっかりIPAらしさがある
・飲みごたえ(コク)あり

低アルかつ飲みごたえのあるビールを造るのはとても難しいです。ブルワー(醸造者)さんの腕の見せどころ!
クラフトブルワリーである奈良醸造さんのこちらの記事がとっても素敵です!
ぜひ読んでみてください🌸

✒️セッションIPAとの違い
どちらも低アルコールのIPAではありますが、マイクロIPAの方がより度数が低いものが多いです。味わいとしては、
・セッションIPA=サラッとしていて飲みやすい
・マイクロIPA=コク、飲みごたえあり
みたいな感じかなと個人的には考えています🌈
セッションIPAはスタイルとしてある程度定着してきましたが、マイクロIPAはまだまだ「定着している」とまでは行かず、ブルワリーごとに色々な解釈がされているようです💡
🙌おわりに

いかがでしたでしょうか?いまトレンドのセッションビールの誕生にはいろいろな背景があったのですね!ビールの歴史って本当に面白いです。
最後にいくつかビールをご紹介して終わろうと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました!
みなさまのビールライフがより良いものになりますように✨
ではまた!
🍺グッドバディ(ブリュードッグ)

スタイル:セッションIPA
アルコール度数:4.5%
税込価格:429円
😎ファミマで買える!

レビュー記事も書いていますのでぜひ!

🍺ザ・スローコア
(ノーバディブルーイング)

スタイル:マイクロIPA
アルコール度数:3.5%
税込価格:832円
😎2026年4月中旬に成城石井で見つけました!

実は!このビールが今回の記事を書きたくなったきっかけです🌈3.5%でこの飲みごたえ・美味しさは本当に衝撃でした。
🌸ノーバディブルーイングは埼玉にあるティーンエイジブルーイングのセカンドブランド!クラフトビールをもっと身近に、というコンセプトから誕生したブルワリーです🍻

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