ケルシュ(Kölsch/Kolsch)は、ドイツのケルン発祥の伝統的なビールスタイルで、「エールとラガーの中間的な存在」ともいわれる、非常にユニークなビールです。
1986年にケルシュ協定に調印したケルン地域の醸造所で造られたものだけが「ケルシュ」と名乗ることができ、それ以外のものは「ケルシュ・スタイル」と呼ばれ区別されます。
ケルシュのように、特定の土地のみで造られる伝統的な農産物、飲料に対して名称の使用を法律で保護する制度を原産地呼称保護といいます。原産地呼称保護の商品にはEUではPGIマークやPDOマーク、日本ではGIマークがつきます。

日本の神戸ビーフや夕張メロン、ちんすうこう、またフランスのシャンパンも原産地呼称保護されています♬
味わい
ケルシュは上面発酵酵母を使いながら、ラガービールのように低温熟成させて醸造するエールビールです。フルーティーな香りを持ちながらも、すっきりとした味わいで黄金色。その見た目はまるでピルスナーのよう!非常に飲みやすく、クラフトビール初心者の方にもオススメです。
上面発酵?ラガービール??という方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみて下さい♬

まるで「わんこそば」なビール!
ケルシュビールついて特筆すべき点は、その提供方法です。本場では「シュタンゲ(Stange)」(「棒」の意味)という長細い形の専用グラスで飲むのが主流で、シュタンゲは一杯が200mlと小振りなグラスなのでわりとすぐに飲み干せてしまうサイズ感です。しかし安心してください、グラスが空になると「クランツ(Kranz)」と呼ばれるお盆にケルシュを大量に載せ店内を歩き回っているウェイターさんが、すかさず新しいビールと交換してくれるのです!しかも、有無を言わさずです!
では「もう飲めない!」となったらどうするのかと言うと、グラスに敷いてあるコースターを蓋をするようにグラスの上に載せるのです。まるでわんこそばのようなシステムですね!

クランツには穴がたくさん空いていて、そこにグラスを入れて運ぶため安定している。
お勘定方法も面白く、伝票の代わりになるのがコースターで、ウェイターは新しいケルシュに交換する度にコースターに印を付けるのです。それで最終的に何杯飲んだかわかるのですね。
著者お気に入りのケルシュ(ケルシュ・スタイル)

KÖLSCH
製造 南都醸造所(沖縄県)
(ケルシュ・スタイル)

南都醸造のケルシュは無ろ過で造られています。フルーティかつ麦芽の旨味もしっかり感じられ、ドライでみずみずしい味わい。まさにエールとラガーのいいとこ取り!ぜひお試しください♬

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