アメリカンIPA／ウェストコーストIPA

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アメリカンIPAはアメリカ西海岸で発祥したIPAで、別名「ウェストコートIPA」とも呼ばれます。

特徴はなんと言っても強烈なホップの香りと苦味。弾けるような柑橘の香りにトロピカルフルーツのような味わい、そしてオレンジビターやグレープフルーツを思わせる苦味がガツンと襲ってきます。この味わいがクセになること間違いなし！

アメリカ産ホップ

アメリカンIPAは主にアメリカ産のホップを使用しています。代表的な品種とその特徴をまとめましたので参考にしてください。

カスケード（Cascade）

香り／グレープフルーツ、松、スパイス
α酸（※）／4.5〜7.0%

（※）α酸とはホップに含まれる苦味成分のことで、ホップを煮沸することによりイソα酸へと変化しこれが苦味としてビールに溶け出します。煮沸の程度によりますがα酸が高いホップほどより苦いビールに仕上がります。

シムコー（Simco）

香り／パッションフルーツ、松、大地、ベリー
α酸／11.5%〜15.0%

シトラ（Citra）

香り／グレープフルーツ、メロン、ライム、ベリー、パッションフルーツ、ライチ
α酸／11.0〜15.0%

センテニアル（Sentennial）

香り／グレープフルーツ、花、レモン
α酸／7.0〜12.0%
☆カスケードの強化版！スーパーカスケードとも。

アマリロ（Amalliro）

香り／オレンジ、グレープフルーツ、レモン、アプリコット、ピーチ
α酸／7.0〜11.0%

カスケードやシトラなど、頭文字がCで始まる柑橘の香りが特徴のアメリカ産ホップは「C系ホップ」とも呼ばれます。

ケトルホッピングとドライホッピング

ビール製造過程においてホップを使用するタイミングは、基本的には麦汁（ビールの素となる液体）を殺菌などの目的で煮沸する際です。麦汁と一緒にホップも煮沸することによって、ホップの苦味成分を抽出します。

この煮沸のタイミングでホップを投入する手法をケトルホッピングと言います。　

しかしホップの香りは煮沸するとほとんどが揮発してしまうので、IPAなど強烈なホップの香りをビールに付与するためにはドライホッピングという麦汁煮沸終了後にホップを大量に投入する手法を行います。これによりホップの香り成分のみが麦汁に溶け出すのです。

こちらの記事でさらに詳しく解説しています。よければご一読ください♬

IBU（国際苦味単位）

IBU とはビールの苦味の度合いを表す「International Bitterness Units（国際苦味単位）」の略称です。数値が高いほどビールの苦味が強いことを意味します。

日本人にも馴染みのあるピルスナーのIBUは概ね20程度に対し、アメリカンIPAは50〜70と3倍以上！この数値だけ見ても相当苦いことがわかりますね。

元祖アメリカンIPA

アメリカンIPAを語る上で外せないのがSTONE IPA！アメリカにおけるIPAの草分け的存在として知られ、今もなお王道として世界中の人に飲まれ続けているアメリカンIPAです。このビールを造っているのはカリフォルニア州のStoneBrewing(ストーン・ブリューイング)で、創業は1996年。「マーケットの好みに追従せず自分たちの飲みたいビールを醸造する」という信念を貫くブリュワリーです。

そしてこのSTONE IPAはブリュワリーの創業1周年を記念して1997年に発売されました。「IPA」というスタイルは今でこそたくさんの人々に愛されていますが、このビールが登場した当時は「IPAって何？」という人がほとんどだったため、特有の強い苦みとパンチのある味わいはなかなか受け入れられなかったそうです。しかし次第にその味わいが評価され始め、ホップを全面に押し出したビールとして人々を虜にしていったのです。

著者お気に入りのアメリカンIPA

STONE IPA
(ストーン・ブリューイング)