飲み屋さんなどで1杯目を頼むとき、とりあえずビールで!という方いらっしゃると思います。この令和の時代、スマドリなんて言葉もありますし昔ほど一杯目はビールという暗黙のルールも少なくなってきました。かくいう筆者は、令和だってなんだって一杯目はもちろんビールなのですが、そもそも日本で言うところの「とりあえずビール」のビールとは一体どんなビールかご存知でしょうか?
日本のビールのほとんどがピルスナー
飲み屋さんで出てくるビールといえば、瓶もしくはジョッキに入っていて、銘柄はアサヒスーパードライ、キリン一番搾り、サッポロ黒ラベル、ちょっと良いとこだとエビスビール…という感じですよね。これらは全て、【下面発酵ビール】というグループに属する【ピルスナー】というビアスタイル(ビールの種類や味わいの分類のことです。)のビールです。ビールは大きく3つのグループに分けることができ、それぞれ【下面発酵ビール】、【上面発酵ビール】、【自然発酵ビール】と呼ばれます。
下面発酵ビールであるピルスナーは黄金色でしゅわしゅわの泡、すっきりとした喉越し、そして爽やかな苦味が特徴のビールで、日本のビールの約90%はこのピルスナーで占められています。
ところで、ピルスナーの他にビアスタイルは何種類くらいあると思いますか?…その数、なんと150種類以上!!しかもその数が続けていると聞いた時には開いた口が塞がりませんでした。じゃあなんで日本のビールはピルスナーばかりなんだ?他のスタイルがあってもいいじゃないか!そう思ったあなた、著者もまったくもってその通りだと思います。

時代は遡り1800年代、日本はビール醸造技術をドイツから学びました。その学んだビールのスタイルがピルスナーだったこと、日本の長い歴史の中でビール=ピルスナーと定着し過ぎてしまったこと、日本が高温多湿な気候故に喉を鳴らして飲めるピルスナーと相性が良かったことなどが、日本のビールのほとんどがピルスナーで占めている要因でないかと思います。
ちなみにピルスナーの発祥地はチェコ。他の国でも作られるようになると、区別するためボヘミアンピルスナー(チェコ)、ジャーマンピルスナー(ドイツ)、アメリカンピルスナー(アメリカ)などと子細に分類されるようになりますが、日本大手メーカーがつくるピルスナーのお手本になっているのは【ジャーマンピルスナー】です。しかし日本のビールは独自の進化を遂げていて、ジャーマンピルスナーと呼べるビールは今では少なくなってきました。そのお話はまたそのうち。
本日のまとめ
・日本のビールはほとんどが【ピルスナー】
・ピルスナーは【下面発酵ビール】というグループに属する
・世界には150種類以上のビアスタイルがあり、ピルスナーはそのうちのひとつ
・ピルスナーの発祥はチェコ
・日本のビールのお手本はドイツのジャーマンピルスナー
ペアリング
日本の【とりあえずビール!】のビール
(アサヒスーパードライ等)
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焼き餃子
餃子の油っぽさを、ビールの爽快な喉越しで流し込む!口の中をリセットして再度餃子!ビール!餃子!ビール!…最高です。同じ理由で唐揚げにもベストマッチです。是非試してみて下さいね。
余談ですが、ピルスナーと相性の悪い料理もあります。それは刺し身などの魚介類です。お寿司屋さんでビールを注文すると、概ね日本の大手メーカーのビール(ピルスナー)が出てくるので意外かもしれませんが、鮮魚と一緒にピルスナーをいただくと生臭く感じてしまうことがあります。
詳細は省きますが、硫黄臭が顕著になってしまうことが原因です。しかし安心して下さい、鮮魚と相性バッチリのビールもあります!しかしその話は、またの機会に。
ではまた!
参考文献
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