狐火 レビューとバーレイワインについて。

クラフトビール(日本)

日本 京都

製造

京都醸造

スタイル

バーレイワイン

アルコール度数

11.5%

IBU(国際苦味単位)

25

使用ホップ

テトナング

副原料

京番茶、糖類

感想

バーレイワインは19世紀イングランド発祥の上面発酵ビールで、「バーレイ(大麦)ワイン」の名の通りワインのようにアルコール度数の高いビールです。イングランドの気候ではブドウの栽培が難しく、ワインを醸造出来ないことからワインに対抗したハイアルコールなビールを造ったのが起源とも言われています。けれどこの「バーレイワイン」というスタイルが確立したのはつい最近20世紀初頭のことで、それまでは「オールドエール」や「ストロングエール」という名称で親しまれていました。(「オールドエール」もイギリス発祥のスタイルで、バーレイワインと似ていますがそれよりもホップの苦味が控えめです。また「ストロングエール」はアルコール度数が高いビールを指します。)

バーレイワインの特徴はなんといってもその熟成期間で、ペールエールなどの一般的なエールビールが2週間程なのに対し、バーレイワインはなんと6ヶ月以上!長期熟成によってフルボディでハイアルコール、とろりとした口当たりで、麦芽の甘みとカラメル、蜂蜜、レーズンのような複雑な香りが特徴です。
また「瓶内二次発酵」させているのも特筆すべき点で、これは出荷する瓶にビールを詰める際、新しい酵母と酵母のエサとなる糖類(副原料)も一緒に入れて瓶の中で更に発酵させ仕上げるという製法です。この製法はシャンパンやベルギービールなどでも使用され、繊細で柔らかい泡と複雑な香りが楽しめます。なので原料に「糖類」と表示されていたら、それは瓶内二次発酵させているビールかもしれませんね。(ただの甘味料の場合もありますが…)

この京都醸造の「狐火」は、同じく京都にある家森酒造とのコラボ商品です。家森酒造は現在ではビール醸造所ですが、かつてはお茶屋さんだったこともあり京番茶という京都の茶葉を使用することを思いついたそうです。しかしこの茶葉は独特でパンチがあり、「焚き火」や「煙草」のようなスモーキーな香りが特徴なので、その香りに負けないようにとフルボディのバーレインワインを選択したのだとか。そんな京番茶を使ったバーレイワインは、燻製香とテトナングホップの花の香り、そしてバーレイワイン特有のカラメル香が合わさってなんとも複雑な香り、味わいに仕上がっています。後味はモルトの甘みと少しの苦味の余韻が続くタイプで、燻製ナッツをかじりながらゆっくり飲みたいビールです。

しかし狐火はどうやらネットでは買えないようなので、著者が飲んで美味しかったバーレイワインを紹介させてください!

M M X X X
スコットランド/ブリュードックブルワリー

ブリュードックは世界でも有名なクラフトビール醸造所で、そんなブリュードックのバーレインワイン「MMXXX」はなんと2030年1月1日が飲み頃だというハイパー熟成ビール!著者はそれを知らず購入してすぐ飲んでしまったのですが(でも5年も待てない可能性は十分ある。)、「ヒュールメロン」というドイツ原産のホップを使用しており、なんだかメロン酒のようでこれを5年も寝かせたらさぞ美味かろうなあと思います。でもこの時点でも非常に美味しいバーレイワインでしたよ。ご興味あれば是非!


ではまた!

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