ランビック/Lambic

ベルギー発祥の酸っぱいビール

ランビックは強い酸味と独特の香りが特徴のベルギー発祥のビールです。ベルギーの首都ブリュッセルとその近郊で造られたものしかランビックと認められておらず、それ以外のランビックは「ランビック・スタイル」として区別されています。

ランビックビール最大の特徴は、その使用している酵母にあります。
ピルスナーやペールエールは下面発酵酵母や上面発酵酵母といった培養された酵母を使用しますが、このランビックというスタイルのビールは空中に浮遊している野生酵母や微生物を利用して自然発酵させています。ランビックに使われる野生酵母は「ブレット酵母」とも呼ばれ、ランビックの特徴である酸味や独特な香りはこの酵母に由来しています。特にその香りは「ファンキーな香り」や「ホーシー(馬臭)」「ゴーティー(山羊臭)」「レザリー(革臭)」とも表現され、なかなかに野性味溢れる香りだということが伺えます。

さらに原料にも特徴があり、大麦麦芽の他に製麦(麦を発芽させること。)していない小麦を30~35%使用します。またビールの魂とも言われるホップは2~3年寝かせて酸化させたもの(!)を使うことによって、抗菌作用はそのままに、香りと苦味をぐっと抑えています。そして麦汁(ビールの素となる液体)は通常の何倍もの時間をかけて煮沸し、醸造所の屋根裏などに設置された浅いプールのような容器に入れて冷却します。この時に野生酵母や微生物を取り込み、取り込んだのちに古いオークの木樽に移され発酵、その後2~3年以上熟成されるのです。このような伝統的な製法で造られるランビックは完全発酵させるため、麦芽由来の甘味はほとんどなくドライな飲み口が特徴ですが、現代では果実や甘味料などが添加され甘味のあるものもあります。

いろいろなランビック

ストレート・ランビック
 ランビックの原酒。かなり酸っぱい。

グーズ・ランビック
 ストレート・ランビックと発酵を終えたばかりのランビックをブレンドし、瓶内二次発酵させたもの。複雑な香りや酸味、さらに瓶内二次発酵によるシャンパンのような豊かできめ細かい炭酸が特徴。

ファロ
 ランビックの発酵はじめに氷砂糖などの甘味料を加えたもの。19世紀頃までブリュッセルを中心に流行。甘味と酸味のバランスが良く正にシャンパンのようで、ビールと言われなければわからない…かも。

フルーツ・ランビック
 ランビックの発酵中にフルーツを加えて一緒に発酵させたもの。その種類は豊富で、「クリーク(さくらんぼ)」「フランボワーズ(木苺)」「ペシェ(桃)」などがある。甘酸っぱくて飲みやすい。アルコール度数も低め。

著者お気に入りランビック

Lindemans(リンデマンス)

ファロ
ペシェ

日本で買えるランビック(ランビック・スタイルではないもの)といったら、やはりリンデマンス醸造所のものがオススメです!特にファロやフルーツ・ランビックは華やかな香り、見た目、味わいでお祝いの日にもピッタリです。
リンデマンスの専用グラスが付いた飲み比べセットもあるみたいなので(ファロ、クリーク、フランボワーズ、ペシェの4種!)ご興味あればぜひ。


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とりあえずのビールはもうおしまい。
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