バーレイワインの発祥はイングランド
バーレイワインは19世紀イングランド発祥の上面発酵ビールで、「バーレイ(大麦)ワイン」の名の通りワインのようにアルコール度数の高いビールです。イングランドの気候ではブドウの栽培が難しく、ワインを醸造出来ないことからワインに対抗したハイアルコールなビールを造ったのが起源とも言われています。けれどこの「バーレイワイン」というスタイルが確立したのはつい最近20世紀初頭のことで、それまでは「オールドエール」や「ストロングエール」という名称で親しまれていました。(「オールドエール」もイギリス発祥のスタイルで、バーレイワインと似ていますがそれよりもホップの苦味が控えめです。また「ストロングエール」はアルコール度数が高いビールを指します。)
長期熟成のフルボディビール
バーレイワインの特徴はなんといってもその熟成期間で、ペールエールなどの一般的なエールビールが2週間程なのに対し、バーレイワインはなんと6ヶ月以上!長期熟成によってフルボディでハイアルコール、とろりとした口当たりで、麦芽の甘みとカラメル、蜂蜜、レーズンのような複雑な香りが特徴です。
また「瓶内二次発酵」させているのも特筆すべき点で、これは出荷する瓶にビールを詰める際、新しい酵母と酵母のエサとなる糖類(副原料)も一緒に入れて瓶の中で更に発酵させ仕上げるという製法です。この製法はシャンパンやベルギービールなどでも使用され、繊細で柔らかい泡と複雑な香りが楽しめます。なので原料に「糖類」と表示されていたら、それは瓶内二次発酵させているビールかもしれませんね。(ただの甘味料の場合もありますが…)
著者お気に入りのバーレイワイン
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スコットランド/ブリュードックブルワリー
ブリュードックは世界でも有名なクラフトビール醸造所で、そんなブリュードックのバーレインワイン「MMXXX」はなんと2030年1月1日が飲み頃だというハイパー熟成ビール!著者はそれを知らず購入してすぐ飲んでしまったのですが(でも5年も待てない可能性は十分ある。)、「ヒュールメロン」というドイツ原産のホップを使用しており、なんだかメロン酒のようでこれを5年も寝かせたらさぞ美味かろうなあと思います。でもこの時点でも非常に美味しいバーレイワインでしたよ。ご興味あれば是非!