ニューイングランドIPAの派生スタイル
ミルクシェイクIPAは、アメリカ北東部ニューイングランド地方で生まれた【ニューイングランドIPA】の派生スタイルです。ニューイングランドIPAはヘイジーIPAとも呼ばれ、このヘイジーIPAは通常のIPAに比べて苦味が穏やかでホップ由来の柑橘やパッションフルーツを思わせる香りが特徴であり、やや濁った見た目をしています。造られる場所によって【ノースイーストIPA】【イーストコーストIPA】【バーモントIPA】など呼ばれますが、ヘイジーIPAはこれらの総称です。
アメリカやスウェーデンが発祥の甘くて苦いビール
ミルクシェイクIPAはアメリカやスウェーデンなど各地で誕生したと言われています。前述したヘイジーIPAに、乳糖(ラクトース)やバニラ、フルーツを添加することが特徴で、ミルクセーキから発想を得たとも。
乳糖(ラクトース)は牛乳や乳製品に含まれる糖質のことで、この糖はビール酵母が食べられない大きさのため発酵が終わった後もそのまま乳糖はビールの中に残ります。それにより乳糖の甘みを感じることができ、そこにバニラやフルーツが合わさってまるで「ミルクシェイク」のような味わいとなるのです。
ただ忘れてはいけないのは元は「ヘイジーIPA」ということ。このスタイルの特徴であるホップ由来のフルーティな香りや味わいはもちろん、通常のIPAよりは苦味は穏やかでありますがピルスナーなどに比べたら圧倒的に苦味が強いヘイジーIPA。なのでミルクシェイクIPAもなかなかに苦いです。口に含んだ瞬間ラクトースの甘味やバニラ、フルーツ、そしてホップの香りが口の中に広がりますが、次の瞬間ドカーン!とホップの苦味が押し寄せます。著者が初めてミルクシェイクIPAを飲んだときは、「なんかよくわかんないけどなんかすごい」なんて語彙力が低下するほどの衝撃でしたが、ラクトース由来の不思議な香り(子供の頃に飲んだ粉薬みたいな香り、と筆者は思っています。)も相まってクセになる美味しさです。
最近ではミルクシェイクIPAを造っているブルワリーも増えてきましたので、見つけた際はぜひゲットしてみてください。
著者お気に入りのミルクシェイクIPA
コジコジビール
日本/神奈川県厚木市
製造 サンクトガーレン
このコジコジビールは神奈川県厚木市にあるクラフトビール醸造所「サンクトガーレン」から発売された、コジコジの世界を表現したといういちご、バナナ、白あん(!)が入ったミルクシェイクIPAです。
肝心のお味の前に、みなさんコジコジって読んだこと(観たこと)ありますか?著者は漫画を持っているくらいにはコジコジが好きなのですが、このビールはまさにコジコジ味!乳糖由来の不思議な香りが鼻から入り、口に含むと味はいちご…?これはなんだ…?と考えているといきなりホップの苦みがドカン!全然脳がついて行けず、しかしこの”わけのわからなさ”が非常にコジコジだなあと。
著者はミルクシェイクIPAはたくさんの銘柄を飲んだことがあるわけではないのですが、このコジコジビールはとても印象に残っているビールです。気になった方はぜひサンクトガーレンさんのオンラインストアへ!楽天でも買えるみたいですよ。
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