BECCO/ベッコ レビューとボックについて。

クラフトビール(海外)
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イタリア マルケ州

製造

Blink Brewary/ブリンクブルワリー

スタイル

ボック

アルコール度数

6.7%

IBU(国際苦味単位)

感想

味わいは缶のパッケージに反してTHE・ボック!醸造家の伝統を重んじるマインドと、自分達の造るビールに対する自信が溢れているビールだと思います。大満足です!

ボックとは

ボックとはドイツ北部アインベック発祥の下面発酵ビールです。その発祥は14世紀ごろとされており、世界に存在するのビール中でもかなり歴史のあるスタイルのひとつです。発祥当時は上面発酵酵母で醸造するエールビールであり、【ボック】ではなく【アインベッカー】と呼ばれていました。しかしドイツ南部ミュンヘンで造られるようになると、当時人気だった下面発酵酵母で醸造するようになり、それを【ボック】と呼ぶようになったのです。い

ボックの特徴はなんと言ってもその色味と高いアルコール度数。ロースト麦芽(高温で焙煎した麦芽)を使用することによりトーストやナッツを思わせる香ばしい風味に仕上がります。また麦芽をふんだん使うことで非常にモルティでフルボディ、そしてハイアルコールなビールとなるのです。

いろいろなボック

トラディッショナル・ボック

ミュンヘンスタイルのボックで、「ボック」と呼ばれるものは大抵このスタイルです。コクがあり濃厚な麦芽を感じられる味わいで、その香りはトーストやカラメル、蜂蜜を思わせます。アルコール度数は6.0〜8.0%。

ヘレスボック/マイボック

「ヘレス」とはドイツ語で「淡い、明るい」という意味です。その名の通り通常のボックよりも淡色をしており、黄金色〜褐色。また5月の春祭りに飲むことが多く、「マイ(5月)ボック」と呼んだりもします。その味わいはトーストを思わせる麦芽の香り、ホップ由来の苦味も強く通常のボックに比べてドライな印象です。アルコール度数はボックとあまり変わりません。

ドッペルボック

「ドッペル」とはドイツ語で「2倍」という意味で、通常のボックよりもさらに多くの麦芽を使用しています。(2倍使っている、というわけではありません。)イースター前の準備期間である四旬節の断食中に、液体の摂取は認められていたことから修道士が栄養補給に飲んでいたのだそう。(キリスト教はビールのことを「飲むパン」と表現していました。)アルコール度数は6.5~8.0%。

アイスボック

ドッペルボックを凍らせて造るドイツ南部クロムバッハ発祥のスタイルです。水分はアルコールよりも早く凍りますので、最初に水分だけを氷結させてその氷を取り除くことでアルコールが凝縮されたビールとなるのです。そんなアイスボックは赤ワインやプルーンのようなフルーティな香りで、濃厚で複雑な味わいが特徴です。アルコール度数は8.5〜14.0%と高めです。余談ですが、このアイスボックはビール醸造家の弟子がビールの樽を外に出しっぱなしにしてしまい水分が凍ってしまったことが始まり言われています。こういった「失敗により生まれたもの」は世界にたくさんありますよね。クリームブリュレとか。凍らせちゃった弟子に拍手!

(・ヴァイツェンボック

( )としたのは、ヴァイツェンボックはスタイルとしてはヴァイツェンに分類されるからです。ヴァイツェン酵母由来の香りと、ボックのような麦芽の甘味、コクが合わさったスタイルで、一般的なヴァイツェンに比べてアルコール度数が高いのが特徴です。

ボックはドイツで古くから愛され続けているスタイルです。この記事を読んで、みなさんにもボックに興味を持っていただけたらと思います。

ご紹介したブリンクブルワリーのベッコは残念ながら日本では手に入らなそうなので(著者は友人にイタリア旅行のお土産で買ってきていただきました。)、日本でも買えるボックをいくつか紹介します。興味があれば是非お試しください。

ではまた!

マイボック


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